仕事を2か月で辞めた経緯をまとめようと思った
離煙パイプを始めてから煙草の灰をぽろっと落としがちになった私です。おはようございます。
用事があるので、その前に昨日に引き続き気持ちの整理をしようと思う。
~入社日までのこと
電話がきたとき、正直内定の連絡だと思った。
電話で祈られることはないだろうと思っていたし、面接でもすごくきちんと話せたし、和気藹藹と笑いのこぼれる良い面接ができたからだ。
が、「スキルが足りないので、正社員としては難しい…」と。
そして「ただ、バイト採用で正社員を目指すという形ではどうでしょうか」。
私の真面目な人柄や素直さに惹かれ、一緒に仕事がしたいと思った、と言われた。
結構頭が真っ白になってしまい、とりあえず条件面等の話だけでも、ということで面談が決まる。
内定先(広告代理店)にお断りの電話を入れ、面談へ。
面談の時間間違えたんですけどね。クソでクズである。
快く対応してもらえたり、もしかしたらこういうこともできるかもという話もあって、すごく親身になってくれる企業なのだなあという印象を受ける。
ここでやってみるべきかな、と思ったのは、そのころ受けている他の企業にそこまで魅力を感じていなかったから余計だった。
周りに相談もしたけれど、皆一様に「そこまで親身な会社ならいいんじゃないか」「楽しそうだと思うのならば進んでみるべきじゃないか」という返答だった。
当然だと思う。私が相談された側でもそう言うだろう。
それもあって、会社が鬼のように遠いとかバイトスタートの不安とか、そういうものは飲み込んで、非正規雇用を受け入れることに。
企業側の事情もあって、入社日を決める面談の二日後に初出社となった。
慌てて準備をして、恋人にも少しだけ会って、はやく正社員になれるよう頑張るね、なんて話をしていた。
入社日当日。元気に挨拶をするものの、始業直後だからかいろんな人がいてようわからん。
そんな中、課長が救ってくれて、そのまま入社手続き。
部署の方への挨拶等も済ませて、設定済みのPCや自分のデスクを与えられる。
ちょっと浮かれた。自分専用のデスクなんて何年振りだろう。
隣に座った方は明日から産休だという話。その日一日をお世話になった。
ちなみに入社日当日の違和感は二点。
・昼休憩を誰も一時間取らない
→早い人だと10分で終えていた。マジかよと思った。
私は45分休憩だったので45分きちんといただいたが、長くても30分しかとっていないようだった。
過去のデザイナー時代も1時間休憩のところ30分しか取れなかったのだが、前職では休憩時間はきちんともらっていたので少し引く。
・就業後に勉強会が開催されるらしかったのだが、ちょっと変なくらい「ほらほら帰って!いいから!帰るんだ!」みたいな感じで帰された
→後々から知るんだけど、どうやらこの勉強会は皆好きじゃなかったみたいだ。
調べたら出てきたんだけど、ちょっと宗教じみているというか…まあ、自己啓発のため、みたいなやつなんだろう。
あっという間に一日を終えて、とりあえず右も左もわからなかった感じだった。
入社1か月
もうね、ついていくのに必死でした。あと通勤が辛すぎた。
(通勤に関しては実家に頼み込んで車を貸してもらい改善されたけど)
様々な違和感が目につくようになってくる。
・相変わらず皆休憩が短いどころか取れてない人もいる
→私も結局30分で休憩を終わらせるようになってしまった
休憩きちんと取りなよと言われることもなく、
むしろ悪意のない感じでやんわりと休憩長い的なことを言われたこともある。
そういう社風なのか知らんけど、せめて上司は休憩とりなさいって指導すべきだよね。
・先輩方の言っていることがバラバラ
→これは仕事上仕方のないことかもしれない。
コンプライアンス的に詳しい説明はできないのだけれど、感覚もかなり必要になる部署にいた。
救いとしては、先輩方が皆非常に優しかったこと。感謝しかない。とても頼っていた。
・社員の島とバイトの島に壁を感じる
→皆仲が良いんだけど、社員組がいっそうに仲が良い。
そのおかげで上長への相談がしにくかった。
もちろんそんなことはきにしてもいられないので、相談はしまくった。
・部署ミーティングが大荒れ
→初日こそ穏やかだったものの、その後は荒れることのほうが多かった。毎日開催される部署ミーティング。
具体的に言うと、上司が目の前で上長にしこたま怒られる。
その詰め方がまた恐ろしいのなんのって。すごい。
上長も仕事に対して物凄く厳しい人で、しかし本気で怒ると我々の心が折れてしまうので、上司(上長にとって直属の部下/10年選手の管理職)を叱るのだとか。
でも目の前であんなに叱られるとこっちもなにも言えなくなるヨ。。。
怒られる姿を見せられるだけでも人のパフォーマンスは下がるって見たことあるけど、本当だなあと思いました。
でもミーティングはすごく有意義な時間でもあった。学ぶことがすごく多かった。
嫌な空気で終わっても、その後皆がきちんと気持ちを立て直すので、業務時間にまで嫌な空気が漂うことはなかった。
・会社が無音
→これ、これまで音楽の流れていない会社に所属したことのない私にとってはかなりびっくりだった。
電話応対も多い会社ではあったけど、時間によってはシーーーーン…としてて。
それが集中している時間であればいいんだけどね、発言したいときはちょっと怖かったよね。
・社内にまだ名前も知らん人がいる
→別の事業部もあったおかげで、顔はわかるけど名前はわからん人がまだまだいた。
他のグループの人が訪ねてきても、どこどこの誰なのか教えてくれない。
たまに別部署の先輩(優しい)がそっと教えてくれる程度だった。
・教育方針が定まってない
→入社一か月以内にひとつの仕事を任された。
なんとか頑張ったが、ポンコツの私はなかなかどうにもうまくいかない。
結局きちんとじっくり教えなさいということで上長が上司を叱った。
帰り間際の報告で上司に謝ったが「いいんだよー、やらせすぎたこちらが悪いんだよ。気にしないで、ごめんね」と言われてしまう。
結局ここの人たちはじっくり教えて育てたいのか、それともなんでもやらせて自主的に育ってほしいのか、なんかわからんな、と思った。
・スキル不足の「スキル」を読み違えていた
→これは私の甘さなんだけれど、私はツールを使う方面のスキル不足だと思ってた。
が、蓋を開けてみたらそうじゃなかった。
ツールを使うよりも、どう仕事を進めていくか…まあいわゆる「売るスキル」みたいなのが必要という意味だったのだ。
(事実、ツールを使うスキル不足はそこまで大きな障害ではなかった)
・情報共有がされてこない
→朝来たら上司がいない。で、なんでも終日不在だそうだ。
えっ、聞いてないんですけど……。という。
社員はサイボウズなどで確認できたようだが、それを落とし込んでくれる存在がいなかった。
まあでも、そんな中だったが私はまだまだ頑張ろうと思っていた。
休みが多くて、正規になれば給与水準もそこそこ良くて、ボーナスがあって、残業も少なくて。
馴染みきれてないのはそのうちなんとかなる、と思ったよ。
そして退社へ
うん、2か月しか在籍してないからね。
先に挙げた項目たちは相変わらずだった。
壁を感じていたのは私だけではなかったようで、バイトの先輩がミーティングで号泣したり。
なんというか、とにかく社内がぎくしゃくしていたのかもしれない。
・どうやら社内体制を変えたばかりらしい
→部署異動があったり、産休で複数人抜けていたり。
おかげで私が入社してからも積極的に採用活動をしていた。
その割に誰も入社してこなかったけど。
・日に日に雰囲気が悪いと感じるようになる
→これは気の持ちようだと思ったから、積極的に周りとコミュニケーションを取るようにしていた。
でもまあ、そんなことで改善されるようなものではなかったのかもしれない。
結局、つらいとかしんどいとか思うようになり、原稿も思うように進まなくなった。
決して人間関係が悪いわけではない。
先輩方、上司、別部署の方、みなさん優しいのだ。
和気あいあいと話をするときだって普通にある。
環境だって悪いわけではなかった。
こんなことでくじけてどうする。まだ2か月弱だぞ。
3ヶ月いればなにか変わるかもしれない。半年いればすっと仕事が楽になったという話も聞く。
休みだって多い(1か月目のあれと全く同じこと)…云々で、必死に自分を納得させていた。
だが、今となって思うのは、
必死に自分を納得させていた時点で、なにか違うのではないだろうか。
限界だ。そう思ったのはとある日曜のことだった。
前日、身内と会ったときに「私、あそこはもうだめかもしれない」なんて弱音を吐いたからかもしれない。
(身内には「おまえでそんな難しい仕事なら本当に難しいんだなー」って言われたから、身内にとっては私は優秀らしい)
その日はなんの予定もなかった。原稿日和だ。
夏コミの原稿をやらなきゃいけない。
それなのに、結果的にその日は一文字も書けなかった。
これ、私にとっては本当に「おかしい!!!!!」ということである。
どんなに仕事が辛くても、どんなに精神的に落ち込んでいても、せめて一ページだとか、書けるだけは、とか、そうやって書くことをしてきた人間だった。
ある意味原稿に逃避している状況でもあったのだけれど、しかしその逃避さえもできなくなったのだ。
はっきり言う。恐らく、すでにそこにいた時点で鬱状態だった。
そして、限界を感じた私は転職活動を始めることを決意。
せめて決まるまでは在職しよう。そう思っていた。
しかし、人間とはかくも弱きものである。いや、私が弱いんだけど。
週明け、月曜日はなんとか仕事を終えた。いつも通り、笑って話をすることもあった。
だが、日曜から感じていた手の震えが止まらない。
会社では息が詰まる。日曜からまともに食事ができない。
緊張しなくなったおかげでなくなったはずの早朝覚醒までやってきた。
翌日火曜日、私は仕事を早退した。もうなにもできなかった。
そしてさらに翌日、私は会社を退職した。
でもね、なんでかすごく「すっきり」してた
これが不思議なところで、罪悪感がなかったのだ。
私はこう文章だけで見ると非常にクズなやつなのだが、たぶん根は真面目なのだと思う。
ポンコツすぎる自分が申し訳なかったし、会社の利益にならない自分を責めたくもなったし(とはいえ、新人なのにそんなことで自分を追い詰めてはいけないというのもわかっていた)
普段の私なら、こういうときものすごく落ち込むし、罪悪感でいっぱいだと思う。
それなのに、私は一切落ち込まなかった。
むしろその日のうちにお世話になっている地元の転職エージェントさんと面談をしてきたほどだ。
エージェントさんからも「落ち込んでいないのでしたらよかった」と言われた。
付き合いもそれなりに長くなったので、私の性格はある程度把握している方なのである。
すっきりしたおかげで、今の私は比較的落ち着いていて、こんなブログを書けているというわけだ。
三日前に退職したのが未だに信じられない。
そう、辞めるまでの間にわかったことがある。
内部の人間から見ても、ちょっと不思議な会社だったみたいだ。
別部署のパートさんからも、「うちで正社員になるのはやめておきなよ」と言われたりした。
そんなふうに思っている人がいることが余計に、「あ、私も変だなって思っててもおかしくないんだ」って思わされたかもしれない。
辞めるとき、みなさんとても優しい言葉をかけてくれた。
たとえそれが建前であろうと、そういった言葉が出てくるだけ、いいところだったのだろうとは思う。
ただ、なんの後悔もしていない。
私はこの2か月でいくつかのことを学んだ。
それを踏まえて、これから先のことを今、すこぶる真面目に考えている。
…のだけれど、長文書きだからなのか、すぐに一記事が長くなってしまう。
そんなわけで、これから先の「芯」をどう固めたか、ということは
また別の機会にまとめたいと思う。
午後から企業訪問に参るので、気楽な気持ちで行ってくる。
あ、最後にひとつ、結論。
直感とか肌で感じた違和感とか、そういうものは見逃してはいけないサインだ。
これだけは、いつまでも忘れずにいたいと、そう思う。